PTA広報誌の作り方

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カラースキーム

カラースキームとは色彩計画のことを言いますが、色についての知識でも書きましたように、”美しく見せる”、”分類する”、”グルーピング”の重要な機能を理解し、広報誌全体のイメージを整えることにほかなりません。

カラー版の広報誌は特に、様々な色を誌面全体にちりばめるとカラフルに纏まったように錯覚しがちですが、読み手に落ち着かない印象を与え、内容を読む前に机の片隅に追いやられるか、ゴミ箱行きがオチだと思います。

 

広報誌と言う性格上、雑誌とは違った色使いが求められるのは当然のことですが、色についての知識の色相環を意識して誌面を纏めていけば、違和感のない広報誌作りが出来ます。

では、カラースキームについてお話します。

色とTPO

時と場所を選ばない違和感のある服装は、周囲から浮き立ち、見た目に嫌悪感が先に立ってしまいます。TPOを守ったカラーコーディネイトをする感覚が必要になる訳で、広報誌のカラースキームと言っても、皆さんが外出時の服装を考えるのと同じことです。

つまり、広報誌の各紙面は伝える内容によってそれぞれに別の性格を持ち、色のTPOが存在します。まさか深刻な誌面に、フランス国旗のような色使いは合いませんし、修学旅行などの報告誌面に薄墨を引いたようなタイトル文字は使わないでしょう。

 

ゆっくり落ち着いて原稿レイアウトを眺めてみれば、何となく浮かんでくる色がある筈です。広報誌の”色とTPO”、カラースキームはその思い浮かんだ色を基調に、他のどのような色が調和するのかを考える上で参考になる資料です。

カラースキーム参考例

カラースキームの参考画像。クリックしてダウンロード。

左図はカラースキームの参考画像です(画像をクリックすると、ダウンロードが出来ます)。

 

このカラースキームの中には、あえてポップな感じの色使いは掲載してありません。理由は、元気の良い色を使用する誌面(例:運動会や体育祭)は、使用する写真がカラフルであり、多少彩度の高い原色を使っても、あまり違和感がなく、更に、容易に使っても良い色が想像出来るからです。

 

掲載したカラースキームは、主に落ち着いた誌面を構成する場合に役立つ配色を考えて選んであります。勿論、掲載したカラースキームが全てではありません。色相環を思い浮かべて、色々なバリエーションにチャレンジして下さい。

 

カラースキームの使い方

図には四角の中に3色を配色してありますが、この3色以外の色を同一誌面に使ってはいけない、ということではありません。また、隣り合っている色を必ずこの順で配置しなければいけない、という規則もありません。

 

その組み合わせの中で一番濃い色の補色を、アクセントカラーとして使用することも考えられますし、タイトルの色として使用したり、記事のベースに配置したりと、レイアウトやデザインの方法は様々です。ただ間違ってもアクセントカラーを同一誌面内に多用しない方が良いと思います。補色はあくまでも”アクセント”として使用するようにして下さい。

世界の伝統色

”お国柄”という言葉がありますが、色にもその国の伝統と風土に培われてきた伝統色と言われるものがあります。

日本で言えば、歌舞伎の舞台幕(緞帳)の色使い。とても奇抜な配色ですが、あれも伝統色の組み合わせで出来ており、海外の方から見ると、とても魅惑的な配色だそうです。

ファッションの国で有名なフランスやイタリアなどは、国の名前を聞いただけで、特有の色が目に浮かびます。また、伝統を重んじるイギリスも、帽子・ステッキ・パイプとともに、カジュアルな茶系のヘリンボーンジャケットや、カラフルな宮殿前の兵士の服装などが連想出来ます。資料は下のリンクからダウンロード出来ますので、参考になさってみてはいかがでしょうか。

世界の伝統色